第19ステージ ブルゴワン・ジャリュ~オブナス
2009.07.25
最後の“移動ステージ”となる178kmは、ブルゴワン・ジャリュを出てオブナスに到着するルート。三つの山岳ポイントと二つのスプリントポイントが設定されている。この日出走のサインをした158名の選手たちは、午後1時少し前にローヌ・アルプス地方の中心地、ブルゴワン・ジャリュの街を出発した。
スタートから9kmのあたりまでは散発的なアタックが繰り返されたが、決定的なリードはつくられない。しかし15km地点になると、20名の逃げグループが形成された。この中には7名のステージ優勝者が入っている。グループの顔ぶれは、サイレンス・ロットのカデル・エバンス、アスタナのヤロスラフ・ポポビッチ、ガーミン・スリップストリームのデービッド・ミラー、エウスカルテルのルーベン・ペレス、コロンビアのキム・キルシェン、アージェードゥゼルのホセルイス・アリエタ、クリストフ・リブロン、ニコラス・ロッシュ、リクイガスのダニエーレ・ベンナーティ、ケスデパーニュのダビド・アロヨ、ホセイバン・グティエレス、ルイスレオン・サンチェス、コフィディスのレオナルド・ドゥケ、ランプレのシモン・スピラク、クイックステップのシルバン・シャバネル、カルロス・バレード、カチューシャのニコライ・トルソフ、ステイン・バンデンベルフ、アグリチュベルのジョフロワ・ルカトル、そしてスキル・シマノのジョナタン・イベール。彼らは27km地点でメイン集団に1分20秒のリードを築く。メイン集団ではミルラム、ブイグテレコム、ラボバンクが先頭に出てペースをつくっている。このあたりの平均時速は44.7km/h。その後47kmの地点でアスタナが集団の先頭に上がり、ペースコントロールに入った。この時点でタイム差は1分50秒。50kmすぎ、ラボバンクはペロトンの先頭に5名の選手を送り込むが、80km地点でこの日最大のタイム差2分50秒を記録する。このあたりの平均時速は48.6km/h。
110kmすぎ、コフィディスのドゥケが単独アタックに出る。すぐにミラーとポポビッチ、アリエタ、グティエレスが追撃に入る。その他のメンバーも必死でこれを追うが、5名は徐々に水をあけていく。120km地点ですぐ後ろに50秒差、メイン集団には1分50秒差をつけた。14名の逃げ遅れ集団は128km地点でラボバンクとミルラムがスクラムを組むメイン集団に呑み込まれていった。先頭5名はまだ1分25秒先にいるが、そのアドバンテージは徐々に失われ、第二スプリントポイントの141km地点でメイン集団に吸収された。しかしドゥケ一人はさらにそこから気を吐き、アタックを続ける。142km地点でペロトンに先んじること20秒。しかしこの気魄も146kmあたりが限界だった。平均時速は48.7km/h。
最後の上りとなる2級山岳区間に入ると、多くの選手たちが脱落していく。この中には赤玉の山岳賞ジャージを着るリクイガスのフランコ・ペリゾッティの姿もあるが、総合を争う選手たちはメイン集団の先頭を順調に走っている。ゴールまで残り25.5kmの地点でBboxブイグテレコムのローラン・ルフェーブルがアタックを敢行、しかし大きなリードはつくれない。残り21.5km、アルカンシェルの世界チャンピオンジャージを着るランプレのアレッサンドロ・バッランが飛び出し、2名が協調して逃げを打つ形となった。残り20kmで18秒のタイム差をつくり、その後最大ギャップを20秒とするが、最終的にフィニッシュラインまで残り1,200mというところで吸収されてしまった。
2名の逃げを追撃するメイン集団は当初ミルラムが牽いていたが、残り3kmをすぎると、コロンビアが前を取るようになる。ラスト1kmのゲートをくぐると、先頭を牽いていたジョージ・ヒンカピーが離脱し、トニー・マーティンが最終発射台として最前線に出る。カベンディッシュがファイナルスプリントに飛び出したタイミングは若干、早いように思われた。しかし世界最速のスプリンターはそれでも、最後までスピードを失わずに走り切った。今大会5勝目、グリーンジャージ争いでも未だ予断を許さぬ展開へと持ち込むことに成功した。ランス・アームストロングは成績上位10名の中で唯一、カベンディッシュと同タイムゴールを果たし、僅差で追うブラッドリー・ウィギンス、フランク・シュレックらにわずかだが着実にタイム差を稼いで最後の“移動ステージ”を有意義に終えた。アルベルト・コンタドールのマイヨ・ジョーヌはもちろん安泰である。そして、日本の別府史之が最後ゴールスプリントに絡み、勇躍7位フィニッシュを遂げる大善戦を演じたことは、特に記されるべきニュースに違いない。
映像提供:ASO
-
2009.07.30
マイヨ・ジョーヌの記憶 -
2009.07.29
マイヨ・ヴェールの記憶 -
2009.07.28
マイヨブラン・ア・ポワルージュの記憶 -
2009.07.27
最終ステージ モントロー~パリ・シャンゼリゼ -
2009.07.26
第20ステージ モンテリマール~モンバントゥー -
2009.07.25
第19ステージ ブルゴワン・ジャリュ~オブナス -
2009.07.24
第18ステージ アヌシー 個人T.T. -
2009.07.23
第17ステージ ブールサンモリス~ル・グランボルナン -
2009.07.22
第16ステージ マルティニ~ブールサンモリス -
2009.07.20
第15ステージ ポンタルリエ~ヴェルビエ -
2009.07.19
第14ステージ コルマール~ブサンソン -
2009.07.18
第13ステージ ヴィッテル~コルマール -
2009.07.17
第12ステージ トネール~ヴィッテル -
2009.07.16
第11ステージ ヴァタン~サンファルジョー -
2009.07.15
第10ステージ リモージュ~イスデュン -
2009.07.13
第9ステージ サンゴーダン~タルブ -
2009.07.12
第8ステージ アンドラ・ビエイユ~サンジロン -
2009.07.11
第7ステージ バルセロナ~アンドラ・アルカリス -
2009.07.10
第6ステージ ジローナ~バルセロナ -
2009.07.09
第5ステージ カブダジュ~ペルピニャン -
2009.07.08
第4ステージ モンペリエ~モンペリエ チームT.T. -
2009.07.07
第3ステージ マルセイユ~ラ・グラン・モット -
2009.07.06
第2ステージ モナコ~ブリニョール -
2009.07.05
第1ステージ モナコ 個人T.T. -
2009.07.03
百年目のツール・ド・フランス -
2009.07.03
ツールの珍場面 -
2009.07.02
アームストロングなる記憶 -
2009.07.02
ツールの華 -
2009.07.01
ツールの涙 -
2009.07.01
ツールの心臓部 -
2009.06.30
ツール・ド・フランス2009 特設サイトオープン! -
2009.06.30
インデュライン伝説 -
2009.06.30
レモン vs フィニヨン 1989 -
2009.06.30
グエリーニの“壁”(1999.7.14) -
2009.06.30
アームストロングの勝利を決めた二日間(1999.7.11, 13)




この記事に対するトラックバックURL :
コメントフォームは現在閉鎖中です。